『デッドエンドの思い出』
2006/09/05(Tue)

デッドエンドの思い出 スイスイと読み終わりました。
 よしもとばななの『デッドエンドの思い出』。

 5つの短篇からなる、タイトルの通り、とてもばななさんらしい作品です。

 霊感や死について多く書かれているばなな作品だから、第1話目から『幽霊の家』とタイトル付け、怖い話でも出てくるのかなぁ、寝る前に読むのがドキドキしてたけど、読んでみたら、とても優しい雰囲気のなかにずっと居た感じでした。

  この暖か~い気持ちは、この本の終始にずっとそうでした。これがばななさんの優しいオーラでしょうね。
 
 『デッドエンドの思い出』まで読んで思ったのは、幸せって、あんなに長持ちする気持ちなんて、切ないけど素敵。そして、特に極普通な日々でも、感動や喜びや実にあちこちいっぱい混ざってあって、つらい目にあっても、過剰に忘れようとも被害妄想ともせずに、ゆっくり、ゆっくりと時間かけてその一ページをめぐっていけば、もっともっと優しく、そして強くなれるんです。静かにただ狂った時間や自分や回りのことがもとに戻すのを待つって、決して消極的なことでないともわかりました。

 「時間是永立于不敗之地的君王。看不清眼前的路、解決不了当下的煩悩時,不如治什麼都不去追究任時間帯我們走過這段崎嶇坎坷。」
 いつ頃からか、自分もよく自分に友達にそう言い聞かせてやってきた気がする。

 最近、ネットで知り合った友達のところ、心身ともつらいと訴えている方が多いよう。自分自身も感じることですが、どんなに無理やりをしてもすべてが調子良く運んでくれる時、そしてやっていることがすべて正しいはずなのに「行き止まり」と感じる時って、よくあります。

 でも、「行き止まり」のように思われる今だからこそ、見えてくるもの、感じるものがあるのではと、私は思います。この小説のなかの物語りのように、暗闇のような悲しみのなかでも、一瞬訪ねる暖かい陽だまりのようなところがあります。目の前のこと、自分自身のこと、ありのままを受け止めて、その瞬間がやってくるのを待って・・・

 ただの活字なのに、こんなに思いやりが溢れているなんて・・・ありがとう。
 
 

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