Sweet Days*
主に通勤の時間や、待ち合わせの時に読んでた一冊。
『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』(江国香織)
It's not safe or suitable to swim.
表紙で初めてこの英語をみた時、印刷ミスかとすっかり思いました。私の学んだ教科書上の英文法からして、notなら後ろにはorじゃなくてnorのはずだと思ったから。後書きに江国さんも同じ疑問が持たれたと分かった時に、思わず小さく笑っちゃいました。
10個の人生恋愛サンプルのような短篇集。短篇といっても本当に短かった。
「愛にだけは躊躇わない―あるいは躊躇わなかった―女たちの物語り…」江国さんはそう言う。
人生は、safeでもsuitableでもない。そして、恋愛も、safeでもsuitableでもない。
私はこの中のストーリに共感というより、違和感を感じたほうが大きいかも。何故か普通な恋愛より、変わった考え方で愛し合ってるカップルが妙に多いような・・・ですが、そのズレを感じながらも、受け入れるのに抵抗もなく、すんなりとした感じでした。(いえ、この本のなかに『犬小屋』だけはキモイ〜と、なんとも言えない嫌な感じ、許し難い。)
『うんとお腹をすかせてきてね』…この第2話をはじめ、私はストーリより、江国さん筆下のグルメの世界に惹かれられた気がします。その描写の「淋漓尽致」(微に入り細をうがつ)さが忘れられません。
『愛しいひとが、もうすぐここにやってくる』…このラストの1篇のなか、「私」という女性が習慣を守ることをとても大切にすることが、何より印象的。だって、彼が妻のもとへ帰ることさえ、それもそういう習慣だからと。江国さんの恋愛物語に登場する女性たちは、運命のいたずらと戦うことって、あまり見当たらないですね。そんな直感に従い、礼儀正しい「無可奈何」な考え方は悲しいけど、それなりに好感を持ってしまう私、不思議なことに。

